前回は「燻製ってホントに美味いのか?」と懐疑しまくってみたのだ。
しかしながら世の中にはUFO、幽霊、年金と、その存在の有無が懐疑されまくっている割には答えが出ていないものが多いのも事実である。
せめて自分の作る燻製料理が美味しいかどうか位は白黒ハッキリさせようではないか。UFOレベルでは困るのだ(生活的に)。
先月の事なのだが、テレビ神奈川の取材を受け、「くらげ亭」の燻製料理を紹介する機会を頂いた。
デビッド伊藤氏が神奈川の街をぶらぶら歩き、その街その街の面白い所を紹介し、編集なしでその日の晩にいきなり放送するハプニング上等のタイトでハードな番組なのだ。
そんな番組なので大した打ち合わせがあるわけでもなく、ほぼデビッド氏のアドリブにより進行していくのだが、故にこちらも実に正直に答えてしまうものである。
「燻製?飽きますよ、僕なんかとっくに飽きてますもん」
よせばいいのにあろう事かカメラの前でそうのたまってしまったのだ。
プロとして普通そこは燻製の魅力とか奥深さについて語るべきであるにも関わらずである。
しかしそこは私も腐っても料理人。
腐っても料理人・・・
腐った料理人が作る料理ってちょっといやだなとも思うのだがまあいい。
飽きてます発言の後は上手く説明できたと思う。
飽きるほど口にしているからこそ分かってくる事もあるのである。
燻製を始めた初期の頃、燻製とは調理法の一種と考えていた。
それはそれで間違いではないのであろうが、そこは単なる燻製の入り口なのだ。
んじゃ今はどうなのかと言うと、燻製をハーブやスパイスの一種と考えることにしている。
ガツンと表に出すときもあるし、裏に隠して引き立て役になってもらうときもある。
燻製のテイストを料理ごとに過不足なく程よく配する。
などと腐った料理人の私も考えてみたりするのだ。
でもやっぱり美味しいかどうかの判断はお客さんじゃないと下すことはできないよね・・・
うだうだと書いてみたはいいけれど。